当院では、歯が生え始めた6ヶ月頃の赤ちゃんから、通院可能です。むし歯予防の方法や、その子に合わせたブラッシングやフロスの使い方を指導します。むし歯ができた場合は、むし歯の治療や歯の根の治療を行います。むし歯が深刻でない場合は、治療が上手にできるまで、サホライドというむし歯進行抑制のお薬を塗布したり、小さいスプーン状の機械で削りセメントを詰めたりと、子どもの「できた」を積み重ね自信をつけることを優先して治療をすることを心がけております。子どもの成長の時期に合わせてシーラントを行ったり、あごの成長がスムーズでなければ矯正治療を提案することも可能です。
小児歯科について
食生活や環境の変化にともなってあごが小さくなったせいだとも言われますが、最近、歯並びやかみ合わせが悪いこどもが非常に多くなってきています。
日本人は歯並びの悪さをあまり気にしないと言われていますが、見た目の問題だけではありません。歯並びが悪いとむし歯や歯周病になる危険性が高くなりますし、かみ合わせが悪いと食べ物がうまくかめず、ごはんをおいしく食べられません。また、笑顔に自信がない、人前で笑えないなどのストレスを感じることもあります。
実は、歯並びの悪さやかみ合わせは、お父さんやお母さんが気をつけてあげることで、ひどくならずに済む場合もあるのです。子どもの歯も、予防が大事です。子どもの一生に関わる問題であり、お父さんやお母さんでなければしてあげられないことですから、ぜひ、お子さんの歯を守ってあげてください。
3つのポイント
当院の小児歯科では、以下の3つについて重点的に診療しています。
- まず、徹底的に予防をします。
- もしむし歯になってしまったら、小さいうちに適切に治療します。
- むし歯になりにくくなるように、歯並びやかみ合わせの治療もします。
小児のむし歯予防のポイントは、お父さんとお母さんです。乳児から幼児の間に、むし歯の原因菌であるミュータンス菌が家族から赤ちゃんに感染してしまうと、その子は一生ミュータンス菌が口の中にすみついてしまいます。
つまり、乳児から幼児の間にミュータンス菌を増やすことなく過ごすことができて、さらにきちんと歯みがきができるようになれば、むし歯になりにくいお口の状態のまま成長できるということです。
「乳歯は永久歯に生え変わるから、むし歯になっても大丈夫!」
この考えは大間違いです!
お子さんの歯がむし歯になっても、「まだ乳歯だし、いずれ永久歯に生え変わるから、むし歯になっても大丈夫だろう」と、お子さんのむし歯をまったく気にしなかったり、放ったままにしてしまうお父さんお母さんがいます。
でも、1本1本の乳歯の下には永久歯もちゃんと存在していて、大きな意義をもっています。
乳歯をむし歯にしてしまうと・・・
- 乳歯が大きく崩壊したり、自然に永久歯に生え変わる時期よりも早く抜けてしまうと、隣の歯が倒れて(寄って)きて、永久歯の生えるスペースを奪ってしまうことがあります。そうなると、後から永久歯が生えてこれなくなったり、変な位置に生えて…など、歯並びが悪くなってしまいます。
- 乳歯が大きなむし歯になると、その下の永久歯の質が弱くなって、一生むし歯で苦労することがあります。
お子さん自身は、むし歯のこわさやその苦労を知りません。大切なお子さんにあの苦労をさせないように、お父さんやお母さんが、お子さんの歯を守ってあげてください。
小児歯科の治療方法
できるだけむし歯にならないように、むし歯の苦労を今の子どもたちにさせないように、当院では徹底した予防治療を心がけていますが、もしもむし歯になってしまった場合には、大人と同じように治療を行ないます。
そのために、できるだけ痛くない治療を心がけています。3歳を過ぎれば泣く子はほとんどいませんし、押さえつけたり大声で叱ったりしながらの治療も一切しません(当然のことです)。ユニットに座れなくても、お母さんやお父さんと歯科医師の膝の上で仰向けになれる小児や、しくしく泣いても大暴れしない小児であれば診療可能です。
「なぜこの治療をするか」「どういう治療をするか」をお子さんに理解してもらい、治療は痛くない、こわくないと分かってもらえれば、大人と同じむし歯治療ができます。
むしろお父さんお母さんが、「子どもがちゃんと理解できるかしら」「どうせ説明しても分からないから…」と思っていることの方が多いのですが、お子さんでも、3歳を過ぎると、しっかりと説明すればそれを子どもなりにきちんと理解して、大人と同じように治療することができます。
むし歯が深刻で緊急を要する場合は、大学病院や小児歯科専門医へご紹介することもありますので、ご理解とご協力お願いいたします。