当院では、主に発育期のお子さんを対象に、歯並び・噛み合わせ治療として顎顔面矯正を行っております。子ども達の健康な発育をサポートしています。
他に、部分的なワイヤー矯正、埋もれた歯を萌出させる治療、元々生まれつき欠損している歯がある方に対してスペースを閉じる治療、前歯の隙間を閉じる治療、マルチブラケット治療なども行っております。近年、顎顔面矯正の対象年齢ではない方に外科処置を併用することで、顎顔面矯正治療をできる範囲が広がっております。
初回相談は無料ですので、お困りの方はお気軽にご相談ください。尚、ご予約は3週間~4週間先になることもありますので、ご希望日がある方は早めにご連絡ください。
顎顔面矯正とは?
顎顔面矯正は、「がくがんめんきょうせい」と読みます。
顎というのは、上あごと下あごの歯の生える場所のことで、歯並びが悪くなる原因である上あごの発育不全を早期に改善することで、あごや顔の成長を正常に戻す治療を行います。
歯並びが悪くなってしまうのには、4つの原因があるといわれています。
- 歯のサイズが大きい
- あごのスペースが小さい
- 上あごと下あごの不調和(受け口や出っ歯)
- 舌や口唇などの悪習癖(お口ポカン、舌癖、口呼吸など口腔機能発達不全)
患者さん本人やお父さんお母さんが、子どもの歯並びの悪さに気付かれるのは、大体6~7歳ごろです。この時期に、上下の前歯が重なって生えてくるからです。
最近の子どもはあごが小さくなったと言われますが、その影響で、並びきれない歯が重なってしまうのです。ですから、咬む回数を増やしてあごを成長させるか、急速拡大装置であごのスペースを拡大すれば、歯がきれいに並ぶようになります。
6~7歳の段階であごが小さいことが分かったときに、すぐにあごを拡大しておけば、お子さんの負担も、親御さんの経済的な負担も軽くて済みます。「様子を見る」と言ってそのまま放置しておくと、9歳を過ぎたころになって犬歯の生えるスペースがなくなってしまい、複雑な歯列になってしまいます。そうなってからの治療は、当然負担が大きくなります。
上あごの成長は10歳までに成長がほぼ完了することが分かっています。遅くても、上あごの成長が完了する2年以上前からあごを正しく発育させ、正しい歯並びで、正しく機能させるようにしていかなくてはなりません。
一般に、矯正治療では歯を並べるスペースを作るために抜歯をすることがありますが、成長途中の子どもの場合は、歯に合うあごに成長させるか、治療であごを拡大すれば、大切な歯を抜かなくても歯を並べることができます。
単に歯がきれいに並べばいいという視点で治療をしたり、成長途中で抜歯してしまうと、あごの筋肉や口とその周りのバランスを崩す危険性があります。顎顔面矯正は、あごを拡大する非常に合理的な治療です。歯を並べるためだけでなく、舌や口の周りの筋肉も正しく機能するように治療していきます。
(成人はあごの成長が終わっていますから、抜歯をすることもあります。)
村上歯科医院ならではの顎顔面矯正
矯正の装置は、すべて副院長が設計し、作製しています。患者さんの歯の捻じれ具合やあごの成長の程度を考慮し、個々の状態に合わせた治療が出来るよう、このようなスタイルをとっているのです。歯科医師自身が装置を作る医院は多くありません。修理が必要な時でも、その場で対応できますので、安心して治療を受けていただけていると思います。
また、患者さんやご家族への治療経過の説明を毎回行います。口腔内写真だけでなく、顔写真やレントゲン写真もお見せしますので、治療の変化を実感していただけます。不安を解消し、モチベーション維持につながっていると思います。
さらに、前から7番目の歯が咬み合うまでを、1期治療トータル費用の範囲で行っております。1本でも多くの歯を咬ませて、歯並びを安定させる目的です。
治療開始時期
治療開始のGolden ageは6歳~7歳です。
但し、子どものころの受け口は上あごの成長不全が原因であることが多く、自然に受け口が治ることはありません。咬むたびに下あごによって、上あごの成長を妨げるため、早ければ3~4歳から治療を開始すると良いでしょう。
上あごの成長完了時期は、男女、身長、肥満度、服薬状況などに影響を受けるため個人差が大きいですので、早めにご相談ください。Golden age以降に治療を開始する場合は、外科的治療や2期治療(ワイヤー矯正や抜歯矯正)が必要になる可能性が高くなります。
上あごのスペースの作り方【治療法】
確実な効果を得るために、固定式の拡大装置を装着します。保護者の方に、1日1回、決められた回数、拡大装置のネジを巻くことで、1日0.2ミリずつ上あごを広げていきます。
メリット(期待できる効果)
- 上あごのスペースの増加
- 上あご前から3番目の歯(犬歯)の萌出を誘導
- 口呼吸の改善
- 気道拡大(鼻呼吸の獲得)
- 口蓋形態の改善(上あごの天井が広く浅くなります)
- 舌ポジッションの改善
- 顔貌の改善
- 睡眠の改善
- 姿勢の改善
デメリット(注意点)
装置自体に痛みはありませんが、慣れるまでに、食べにくい、しゃべりにくい、飲み込みにくい時期が1週間ほどあります。拡大装置のネジを巻いた数秒だけ、鈍痛を感じる方がいます。(年齢が若いほど痛みはなく、10歳に近いほど鈍痛を感じます。)上あごの拡大が進むと、一時的に上の前歯に隙間ができます。ネジを巻き終えると、自然と歯と歯が寄り、隙間はなくなります。
他の矯正との違い
あごの成長の時期に、治療を効率的に進めるため、患者さん自身で取り外しができない、固定式の装置を主に使用しています。固定式のため、清掃が難しいですが、専用のブラシで磨くと清掃は容易にできます。
鼻腔通気度計を導入し、鼻呼吸の状態を客観的に測定して、治療を進めていきます。審美矯正ではありません。
アフターフォロー
積極的な矯正治療終了後は、年に3回受診していただき、上下前から7番目の歯が咬み合うまで経過を見ます。前から7番目の歯が上手く咬めていないときは、咬み合うよう治療を行うところまでフォローしています。
下の親知らずの萌出スペースがなく、下の親知らずが歯並びに悪影響を及ぼす場合は、口腔外科を紹介するなど、抜歯時期を見極めます。
治療費
初期費用 資料取り+治療計画説明(資料取りと説明の合計2回分の費用) |
44,000円 |
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1期治療トータル費用※1 ※2 乳歯から永久歯に生えかわり、前から7番目の歯が咬み合うまで(~およそ15歳)のトータル治療費(治療開始後の検査料、診断料、装置代、セメント代を含む) |
660,000円 |
外科処置はトータル費用に含まない | 下の親知らずの歯胚摘出術 …1歯22,000円 インプラントアンカー併用治療 …147,000円/1回 外科的アシスト(コルチコトミー) …33,000円/1回 |
月管理料(再診料、調整料、フッ素塗布代、写真代) 矯正の診察にかかる費用です。月に1度お支払いいただきます。気になること、装置の不具合等あれば、ご連絡の上、ご遠慮なくご来院ください。 |
3,300円 |
2期治療 マルチブラケット治療(ワイヤー矯正)※3 顎顔面矯正治療後に、歯並びをさらに緊密にきれいにしたい場合に、希望に合わせて行います。 1期治療と同様、月管理料がかかります。 |
440,000円~660,000円 保定装置(片顎)…5,500円 |
※1:初めの装置を装着する日に、一括の方は全額、分割の方は費用の一部を納めていただきます。分割の場合は3年以内に全額を納めていただきますが、利息はありません。
※2:その他、顎顔面矯正を行っている期間中に装着するフェイシャルマスクや6歯までの部分的なワイヤー治療、先天性欠損部(1歯)のスペースクローズ、埋もれている歯の牽引は、トータル治療費に含みます。ただし、装着した装置やお渡しした装置を、破損や紛失した場合は別途費用をいただきます。
※3:材料費に変動があるため、費用が変動する可能性があります。1期治療から継続して2期治療を行う場合の費用です。
マウスピース型保定装置
※歯並びが発音や咀嚼など機能面に悪影響を及ぼしているため矯正治療を開始する場合は、医療費控除の対象となる場合があります。医師の診断書が必要なケースもありますので、個別にご相談頂ければ対応します。
よくある質問と回答
Q.上あご拡大すると顔が大きくなりますか?
A.なりません。上あごと下あごの調和がとれ、顔のバランスが良くなります。治療開始前とは顔が変りますので、今の顔がお気に入りの方はおすすめしません。
Q.痛みはありますか?
A.ネジを巻いた時に、数秒から1分以内の鈍痛を感じることがあります。治療開始年齢が早いほど痛みを感じません。
Q.装置は見えますか?
A.前からほとんど見えません。主に内側に装置が位置します。歯に銀色の輪を付けますので、その一部が見えます。
Q.装置を入れることでむし歯になりますか?
A.比較的にシンプルな装置です。歯の付け根をしっかり磨くとむし歯になりにくいです。来院時にフッ素による歯面清掃を行い、むし歯予防を行うようにしています。
Q.歯並び・嚙み合わせが悪くなる原因って何?
A.主な原因は2つあります。ひとつは歯のサイズが大き過ぎる場合、もうひとつはあごが小さいために起きてくるものです。実際にはあごのスペースがやや小さくて、歯がやや大きいケースが多いようです。
Q.歯並び・嚙み合わせは治さなければいけませんか?
A.あごの大きさが正常で、口を閉じて鼻呼吸できていれば、私はあえて治療の必要はないと思います。一方、あごが小さい場合は、発育期に拡げる治療をしておくことをおすすめします。そのひとにとって一生の財産になるはずです。
Q.あごを拡げる治療ってあまり聞きませんが新しい治療法ですか?
A.50年近い歴史のある治療法です。しかし、あごの成長予測が難しいという理由で、永久歯が全部生えそろってから行われる歯列矯正が広く普及しているのが現状です。
Q.あごの大きさって変えられるものなんですか?
A.はい。多くの場合、本来あるべきあごの大きさに戻すことができます。
Q.どんな治療法ですか?
A.装置を口の中に入れ上あごの成長をうながします。顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)といい、多くの場合装置を口の中に入れ上あごの成長をうながします。1つの装置を入れている期間は6ヶ月~1年ほどです。
Q.ゴッツイ装置ですがしゃべったり、食べたりできるんですか?だいいち痛くありませんか?
A.心配ありません。入れてから3日~1週間ほどで慣れてしまいます。痛みはありません。
Q.この装置で何が起きるんですか?
A.本来のあるべき大きさに成長させることができます。上あごは右と左の二つの骨が合わさって一つの骨を作っています。この合わさり目、20歳過ぎるまではゆるく結合しているため、容易に開いて拡げることができます。拡がったところには新しい骨が作られて本来のあるべき大きさに成長できるのです。
Q.小学校へ入るまではきれいな歯並びだったのに、5年生ごろから急にガタガタになってしまいました。なんでこんなになっちゃったんですか?
A.上あごと下あごの成長時期が違うからです。上あごの成長は10歳ごろに終わってしまいます。ところが、下あごは身長が伸び始める10〜12歳ごろから成長量が増え、やがてピークがやってくるのです。早くに成長してしまう上あごが小さいと、あとから成長する下あごをうまく迎え入れることができず、またたく間に歯並び・嚙み合わせが悪くなってしまうのです。
Q.この治療をすれば、ワイヤーを付ける歯の矯正は必要ありませんか?
A.男女差はありますが、小学校の5年生ぐらいまでに着手すると多くのケースは最終的な歯列矯正をしなくてすみます。しかしその年代を越してしまったり、あまりに歯とあごのアンバランスが大きい場合はワイヤーを使う治療が必要になることもあります。それでも一度、あごのベースを拡げておけばその後の歯列矯正は楽に進めることができます。
Q.顎顔面矯正治療の欠点はなんですか?
A.上あごを拡げるために歯へ力が掛かります。この力が歯へ影響を与える可能性があります。しかし、中学生以下であれば弱い力で拡がるため心配はありません。歯の成長をうながす1期治療のあと必要があれば最終的な歯列矯正の2期治療と、治療が2度に及ぶことがあります。この場合、装置を入れていない期間はあるにしても、治療期間が長くなることがあります。しかし、成長発育を利用し無理なく治療を進めるためと考えればむしろプラスと思われます。
Q.うちの子歯並びが悪いんですが、口をいつも少し開けていて気になります。これって歯並び・嚙み合わせに関係しているんですか?
A.口を使って息をしている口呼吸が考えられます。普通呼吸は鼻でするものですが、乳幼児期にのどや鼻の具合が悪かったりすると口呼吸になってしまうと考えられています。口呼吸はあごの成長を妨げてしまい、歯並び・嚙み合わせに悪影響を及ぼすといわれています。一方、発育不全の上あごを拡げると、鼻呼吸が復活してくれることもあります。
Q.就寝時の歯ぎしりがひどいです。歯ぎしりは歯並びと関係ありますか?
A.関係があります。子どもの歯ぎしりの原因は、4つあります。歯並びが悪い、噛む回数が少ない、味の濃いものが好き、ストレスで胃酸の分泌が多い、この4つが複合的に関連しています。歯並びを治すことはもちろん、他の原因に対しての指導も当院では行っています。
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