歯胚摘出術
歯の赤ちゃんを、歯胚(しはい)と言います。初めのころの歯胚は、レントゲン写真で黒い楕円形状に写ります。この時期の歯胚はゼリー状やグミ状で、弾力があり柔らかいもので、歯ぐきの下、骨の中の浅い部分に存在しています。その後、徐々に骨の中の深い部分に移動し、石灰化が生じ、歯の頭、歯の根の順に歯ができていくのです。
現在、あごの発育が悪いお子さんが増え、前から8番目の歯である親知らずが真っすぐ生えてくることは非常に稀です。多くは親知らずが斜めに倒れたり、埋もれたままになります。それだけに留まらず、前から7番目の歯が、前から6番目の歯に引っ掛かり、出てこれないことも増えてきました。
これは、あごの発育が悪く、歯の生えるスペースが少ないことが主な原因です。親知らずが将来痛みの原因になったり、他の歯の萌出を妨げる原因になることが明らかな場合に、当院では下の親知らずの歯胚摘出術を行っています。
適応
パノラマレントゲン写真で、下の親知らず歯胚が、黒い楕円形状に認められる時期。
およそ7歳頃~10歳頃(歯胚ができる時期には個人差があります)
※顎顔面矯正治療中に下の親知らずに歯胚を認める場合は、こちらから説明させていただきます。
メリット
歯胚が歯ぐきの下に存在しているため、骨を削ることなく、骨の小さな隙間から歯胚を摘出できます。傷口は5㎜~10㎜程度で小さいです。
デメリット
歯胚の石灰化が進んでいる場合は、歯胚摘出術ができません。歯胚摘出できる時期が限られています。
通院回数
3~4回
費用
自費治療 22,000円/1歯
病気の治療ではないため、保険は適用されません。
経過写真
9歳9ヶ月 左下親知らずの歯胚を認めます。
9歳11ヶ月 歯胚摘出当日、30分で処置を終えました。
術直後の口腔内1糸縫合
摘出した歯胚
10歳4ヶ月 歯胚摘出後5ヶ月
左下親知らず相当部に骨梁(こつりょう)ができ、歯胚摘出成功を確認しました。
治療内容
トータル治療費 | 22,000円 |
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治療期間 | 3~4ヶ月 |
注意事項 |
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症例紹介
その他の症例はこちらのページをご覧ください。