あなたのお子さんは、テレビを見る時、遊んでいる時、お口がポカンと開いていませんか?
お口をポカンとしている我が子を見て、「怠けている」「見栄えが悪い」と気になっている親御さんも、多いのではないでしょうか。
今回は、14年小児矯正に従事して生きた歯科医師の私が、お口ポカンと顔の変化についてお話しします。
きっと明日からのお子さんへの声かけが変わること間違いありません。
お口ポカンは呼吸の代償姿勢
お口ポカンは怠けている!そう思っている方がいらしたら、それは間違いです。
お口がポカンと開いてしまう理由の一つに、呼吸の問題が隠れているからです。
お口がポカンと開くお子さんは、鼻呼吸できないお子さんが多く、呼吸が苦しいため、頭を前に突き出して気道を確保し、口呼吸しています。
頭は5~6㎏の重さがあり重く、頭を前に突き出すと、バランスをとるため猫背になることも多いです。
怠けている訳ではなく、呼吸がしやすいように代償姿勢をとった結果、お口が開いてしまう、それがお口ポカンなのです。
「お口を閉じて」とお子さんに声掛けするのは、意味がありません。

お口ポカンの状態が続くとなぜ顔が変わるのか
私が一番懸念しているのは、お口ポカンが続くと、顔が縦に成長しやすくなることなんです。
お口ポカンの状態は舌が下に下がり(低位舌)、上あごへの舌圧が低下し、上あごの横への成長がしにくくなります(バクシネーターシステムの崩壊)。
その結果、下あごが後ろに下がり、縦に成長してしまうことで、顔が長くなります。

こちらはお口ポカンがない方と、お口ポカンがあった方のお写真です。
実は双子の姉妹なのですが、お口ポカンのあるなしで、このくらい顔の長さに差が出ることを理解して頂けたのではないでしょうか。
お口ポカンは一時的な状態や癖ではなく、顔まで変えてしまうので、気づいた時点でできるだけ早く改善させたい理由がここにあります。
アデノイド様顔貌とお口ポカン
アデノイド様顔貌と聞いたことはありますか。
アデノイド様顔貌の方は、お口ポカンを伴います。
アデノイド様顔貌というのは、アデノイド(咽頭扁桃)という部分が腫れた時にみられる顔貌と、類似したお子さんの顔貌のことを言います。
上あごの幅が狭く、鼻から下(下顔面)が縦にのび、下あごが後ろに下がるといった、特長があります。
図のような特長のお子さんがいらしたら、呼吸の問題が関係して、お口がポカンと開いている可能性を考えてあげてください。
「怠けているので姿勢を正しなさい」ではなく、「息苦しくない?」「鼻の調子はどう?」に、お子さんへの声かけが変化するはずです。

お口ポカンの見るべきサインは
お口ポカンがあると、他にもこんなサインがみられます。
・くちゃくちゃ音を立てて食べている
・いびきや寝汗がすごい
・集中するとお口がポカンと開いている
こんな状態がみられる場合は、まずご家庭でやってほしい遊びがあります。
①風船膨らまし
②ラッパを吹く
③鼻歌を歌う
今日からできそうですよね。
また、食事の環境を見直しましょう。
①足の着く椅子で食べる
②繊維質の多い食材を取り入れ、大きめの食材で料理し、咬む回数を増やします
あなたのお子さんも、毎日の遊びや食事環境でお口ポカン対策をしてみませんか?
お口ポカンを放置するとどうなる?
顔が長くなる他に、歯並びが悪くなる(歯列不正)、お口で息する(口呼吸の習慣化)、いびき、目の下にクマ(睡眠の質の低下)、姿勢の崩れが起こります。
お子さんの健やかな成長を願う親御さんなら、早く何とかしたいと思うはずです。
歯科医院受診の目安
気づいた時点から、出来ることがあります。
何が原因でお口ポカンになっているのか、歯科医院を受診して頂ければお調べすることができます。
食事の時の姿勢のこと、鼻呼吸できる環境作りのこと、体の緊張をほぐすこと、そのお子さんに合った方法をご提案いたします。
ちなみに鼻呼吸できる環境作りとしては、
・鼻をかむ練習をする(鼻をかむと内圧が高まり、低年齢のお子さんでしたら上あごを成長させる力になることもあります)
・鼻水をやわらげるためサイナスミストを利用する
・アレルギー対策として、砂糖や小麦、乳製品の摂取を控える
・鼻を温める
・鼻のツボを押して、鼻通りを良くする
こんな方法があります。
毎日コツコツ取り組むのが苦手、あるいは、確実に鼻腔容積を広げ、気道を広げたい方には、当院で行っている「顎顔面矯正治療」小児矯正をおすすめします。
1人で悩まないでください。
専門家の力をいつでも借りてくださいね。
いつでも、ママの味方です。
村上歯科医院 副院長 藤原千尋
