お子さんの乳歯の歯並びが悪いとお悩みの親御さん、乳歯の歯並びが「ガタガタ」「斜めに生えている」「スキマがない」など、乳歯の歯並びの異変に、よくお気づきになられましたね!
そして、食事中にくちゃくちゃ食べる、落ち着きがないといった行動にも、手を焼いているのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、「くちゃくちゃ食べている」「食事をだらだら食べる」「落ち着きがない」など、お子さんの食事や性格の心配事は、歯並びと関係しています。
歯並びは、普段の食べ方、食べるもの、食べる姿勢、寝る姿勢、口呼吸など生活習慣により、あごが上手く成長できていない結果。
あごの成長が性格まで影響します。
今日は、食事や性格の悩みが歯並びと関係している理由、受診の判断基準、Q&Aの順に解説します。
その食べ方は、しつけのせいではありません
お子さんが「くちゃくちゃ食べている」「食事をだらだら食べる」この食べ方は、あなたのしつけが悪いせいではありません。
なぜなら、食事の食べ方は、しつけで学ぶものではなく、食べ物を触り、お口に入れ、噛んで、飲み込むをお子さん自身が経験することによって、学習していくものです。
いきなり勝手にできるものではなく、失敗を繰り返しながら、唇、舌、頬が協調して動くことを学習し、食べる機能を獲得していきます。
あまり食べたことない物、触ったことのない物、大人と同じものを食べるお口の準備が出来ていないのに大人と同じものを与えられたら、上手く食べられなくて当たり前です。
くちゃくちゃ食べ
くちゃくちゃ食べるのは、唇が閉まりにくい環境があるからです。
唇の力が弱いのか、足がつかない椅子に座って猫背になっているからお口が開きやすいのか、TVを見ていて食事に意識が向いていないのか、そのお子さんのお口の機能や食事環境を観察してください。
だらだら食べる
食事をだらだら食べるのは、お口の発達に合っていない食事を食べていたり、かむ力自体が弱いです。
奥歯が生えてきていないのに、歯で咬みつぶす硬さのものをお口に入れていませんか。
前歯で食べものをかぶりついてから、咬んででいますか。
前歯を使って咬むところを、お子さんの向かいに座って、親御さんが見本を見せてあげてください。
唇をしめて食べる、食事をドロドロになるまで良く咬む。
お口を正しく使いながら食事をしていると、飲み込むたびに舌が上あごに押し当てられ、上あごがすくすく成長していきます。
その性格は、しつけのせいではありません
落ち着きがない・泣き虫
さらに、「うちの子は落ち着きがないな~」「泣き虫だな~」そんな風に感じている方!
それは、性格の問題ではなく、お口ぽかんや口呼吸による酸素不足や、睡眠不足、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
乳歯の歯並びが悪いお子さんは、上あごの成長不足が原因です。
上あごの成長不足のお子さんは、その周辺にある鼻(鼻腔)や空気の通り道(気道)が狭く、鼻呼吸できているようで、口呼吸をしていることがほとんど。
口呼吸は、鼻呼吸よりも酸素の取り込みが少なく、お子さんの集中力低下や睡眠の質の低下に繋がります。
寝不足は、大人でも辛いじゃないですか。
子どもは酸欠の状態が続いていても、その状態に慣れているため、苦しいとは言わず、性格に影響します。
だからこそ、乳歯の時期にしっかりあごを育ててほしいのです。
受診すべき 8つの危険サイン
出来れば矯正なしで過ごしたい!
そんな方は、今からお伝えするサインを見逃さないように、早めの受診をお願いします。
受診時は、まず最初に、虫歯や虫歯の予防についてお話しします。
その上で、真剣にお口の機能を育てたい方には、上あごが育つ遊びや習慣を伝え、伴走するようにしています。
0歳~5歳未満のお子さんは、上あごの成長が旺盛な時期なので、真剣に向き合えば結果がついてきます。
そして、6歳前後の永久歯が生える頃、上あごの成長が少ない場合や、永久歯のサイズが大きいお子さんには、希望の方に対して矯正治療を開始します。
① 受け口(反対咬合)やあごのズレ(交叉咬合)がある
この2つは自然治癒しにくい代表です。
前後・左右のあごのズレがないか見てください。
- 下あごが前に出ている受け口(反対咬合)
- 下あごが片方にズレてかんでいる(交叉咬合)
成長と共にあごのズレがひどくなり、顔の変形につながりますので、注意が必要です。
0~4歳までは生活習慣を見直します。
受け口のお子さんの場合、食事を与えるとき、スプーンを下から運んで、あごを引いて食べるように説明します。
5歳以降であれば、矯正治療で治すことが多いです。

②乳歯の隙間がまったくない・ガタガタ
乳歯の歯の間にスキマ(霊長空隙、歯間空隙)があると、あごの成長が順調なサイン。
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どの歯の間も隙間あり → 様子を見てOK
- 隙間が少ない・なし→ 永久歯が出てくる時に混雑する可能性あり
0~4歳までは、上あごが成長するように生活習慣を見直します。
ハイハイ遊びや坂道を駆け上がるなど、体幹を鍛えることで、あごを育てる習慣をお伝えしています。
5歳以降であれば、レントゲンを撮り、永久歯の状態を確認して、将来の歯並びの予測をします。
永久歯がきれいな歯並びになれるのか、矯正治療の可能性もお話するようにしております。
永久歯が並ぶ場所がない=将来の歯並びはガタガタになります。
③上下どちらかの歯が斜めに生えている
前歯の角度が内側、外側に傾いている場合は要注意です。
特に下の前から4番目の歯を見てください。その歯が内側に倒れている場合は、あごが順調に育っていない一つのサインです!
あごに十分なスペースがあれば、歯は自ずとまっすぐ生えます。
④ 指しゃぶりが3歳を過ぎても続いている
乳歯の歯並びを悪化させる代表的な癖には、気を付けてください。
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指しゃぶり(特に3歳以降)
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お口が閉じられず、口で息をしている(口呼吸)
- 唇を吸ったり、なめるクセ(下唇吸唇癖)
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舌で前歯をおすクセ(舌突出癖)
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頬杖
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うつぶせ寝や横向きで寝ている
- くちゃくちゃ食べ(口唇閉鎖不全)
頻度が高く・長時間あると、自然には治すのは難しく、歯並びが悪くなります。
指しゃぶり、おしゃぶりが止められないお子さんは、乳歯の歯並びが押されて、あご自体が変形していきます。
あごの上に永久歯が並びますので、歯並びが心配です。
上記のような癖をお子さんがお持ちの親御さん!一人で悩まずに、早めにプロにご相談ください。
指しゃぶりの詳しい内容や年齢別の対処法はこちらをご覧ください。
https://murakami-dc.biz/2025/11/28/1843/

⑤猫背・お口ぽかん
姿勢の悪さは、歯並び崩壊のサインです。
猫背になると、自然と舌が下がり、お口が開きやすく(お口ぽかん)なります。
歯は、外側は頬と唇、内側は舌があり、その間に並びます。お口が開くと、均衡が崩れ、歯並びがガタガタになるからです。
お子さんの姿勢を写真に撮り、観察してみてください。
姿勢は「姿勢を正しなさい!」と叱っても無駄です。
椅子の座る際には、タオルを丸めでお尻の後ろに置き、骨盤を立ててあげるなど、姿勢が良くなるアシストがあると効果的です。
お父さんと一緒に体幹トレーニング、筋トレもいいですね。
⑥ 乳歯が早く抜けた、もしくは、なかなか抜けない
あごの成長が上手くいっていないサインです。
あごの成長が悪いと、歯が混みあって早く抜けることもあれば、永久歯が出てくる場所が少なく、なかなか乳歯が押し出されないという現象が起きます。
一度、レントゲンを撮って確認するといいです。
⑦ ずっと鼻の症状が続いている
口呼吸が常習化します。舌が下がり、あごの成長が妨げられてしまいます。
歯科でお口の状態をみた上で、鼻うがいの推奨やサイナスミストを併用して鼻吸い機を小まめに使ってください。
重症な場合は、耳鼻咽喉科を受診するようお願いすることもあります。
あごの成長を促すことで、鼻腔の容積を増やすことができるので、形態を良くする原因へのアプローチは歯科にお任せください。
⑧ 食べにくそう・噛みにくそう・丸呑みする
それは、お口の発達が上手くいっていないです。
早い段階で、噛むことはどういうことか、お子さんに実感してもらうためのきっかけづくりとして、歯科の受診をお薦めします。
原因を見極めるには、プロにみてもらうと安心です。
最後に
日々の診療を行っていると、これらの危険サインに当てはまらないお子さんとお会いすることがありません。
様子見ていいよと言われる時期こそ、あごを育てることのできる重要な時期です。
あごを育て方法としては、食べるものの硬さや大きさを工夫することから、体の緊張をほぐして動かしやすくしたり、お口の筋力が不足してい場合は筋機能療法(MFT)をします。
これだけやれば解決!そんな方法はなく、今のお子さんに一番必要なことから取り組めるようにサポートすることが、我々歯科のできることなのです。
気づいた時に相談できる歯医者さんを見つけることも大事です。
いざ相談する時に、どこに行ったらいいか分からない状態だけは避けてください。
兵庫県高砂市周辺の方出来たら、矯正治療・小児歯科・赤ちゃん歯科をしている当院に是非ご相談ください。
皆さまの質問にお答え:Q&A
Q:乳歯の歯並びがガタガタでも、年齢を重ねると自然に治る?
基本的には、治りません。
特に、隙間ゼロ・受け口・あごのズレ・強い習癖 があるお子さんは自然に治ることはありません。
今の歯並びになった生活習慣、あごが育ちにくい習慣を改善すれば、0歳~5歳のお子さんであれば自然に改善することもあります。
ご自身で勉強されて一人で取り組まれる場合、息詰まることもあるかと思いますので、必要でしたらいつでもご相談ください。
伴走してサポートすることができます。
当院にご来院頂く場合と、オンラインで出来るサポートも準備中です。
Q:3歳の歯並びはどのくらい気にしたほうが良い?
3歳は、乳歯がやっとはえそろった頃です。上記の危険なサインがなければ、気にする必要はありません。
しかし、あごの成長が旺盛で、とても大事な時期です。
将来の歯並びをキレイにしたいのであれば、お口を育てる遊び、食べ方、姿勢などをご相談ください。
Q:お口の写真だけで判断できますか?
見た目だけでは判断できないケースが多いので、受診をお願いしております。
ただし、遠方にお住いの方や外出が難しい方には、オンラインでのサポートも予定しております。
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副院長 藤原千尋
