あなたのお子さん、お孫さんに、指しゃぶりはありますか?
「このままだと、歯並び大丈夫かな」「いつになったら、なくなるの?」と心配になりますよね。
私は14年間、小児歯科や歯並びの矯正治療に携わってきました。
その中で、「指しゃぶりが止められません。」「指しゃぶりを止めさせたいです。」そんなご相談を、沢山受けて来ました。
結論からお伝えしますと、皆さんがお察しの通り、指しゃぶりは歯並びに影響を及ぼします。
ただし、年齢によって、「指しゃぶりはOKな時期」と、「止めたい時期」があるのです。
特に、親御さんの愛情不足で指しゃぶりがあるのだと他で言われ、親御さんが自分の責めておられることに、私は心を痛めています。
結論から言いますと、指しゃぶりは親御さんの愛情不足ではありません。
何かの代わり(代償)として指をくわえたり、手を触られる感覚を感じたいと、体が欲求していることもあります。
指しゃぶりをする理由が、それぞれのお子さんにあり、体や心の成長と関わっています。
この記事では、
・指しゃぶりが乳歯の歯並びに影響する理由
・どんな歯並びに変化するのか
・年齢別に観察してほしいポイント
・家庭でできる指しゃぶりの対策
・受診の時期
を順番に解説していきますね!
指しゃぶりが乳歯の歯並びに影響するのか
結論からいうと、指しゃぶりは歯並びに影響します。

指しゃぶりにより歯並びが崩れるの仕組み
指しゃぶりは、お口に指を入れたり、お口に指を入れて吸う行為を指します。
歯は、「頬・唇の外側の力」と「舌の内側からの力」のバランスの中に並んでいます。
このバランスが取れていると、歯並びはきれいに並びやすいです。
しかし、指をしゃぶりをすると、バランスが崩れ、
・唇は開く
・頬の筋肉が緊張する
・舌が下にお落ちる
・指で歯が押されて動く
このようなことが起こってしますのです。
指しゃぶりで起こる乳歯の歯並びの変化
では、具体的に乳歯がどんな歯並びになるのでしょうか?
・歯が前に出る(出っ歯、上顎前突)
・下あごが前に出る(受け口、反対咬合、機能的反対咬合)
・あごが横にずれる(交叉咬合)
・噛み合わせが深く、下の前歯が隠れて見えない(過蓋咬合)
・前歯が閉じない(開咬)
指しゃぶりの影響で起こる乳歯の歯並びの変化はさまざまで、程度にも個人差があります。
いずれにせよ、指しゃぶりの癖は続くと、歯並びはどんどん悪化しますので、心配するのも無理ありません。
指しゃぶりはいつまでにやめればいいの?
指しゃぶりの行為自体が、「悪」ではありません。
年齢によって、指しゃぶりの意味が違うので、そこを一緒に診ていきましょう。
0歳~1歳
この時期は、指や手、おもちゃを積極的に舐めてほしいです。
むしろ、赤ちゃんが手や指、おもちゃを舐めることは、普通のこと。
触覚を刺激することで、脳は発達するので、とてもいいことなんですよ。
HMC<hand mouth contact>とも言われ、お口に手を運ぶことで、手の大きさや質感、距離感などを、お口で学習しているのです。
赤ちゃんの学習の時間を邪魔しないようにしましょう。
ただし、長時間の指しゃぶりは、ミルクや哺乳量が不足していることもありますので、そこだけは見守ってあげてくださいね。

1歳~2歳
止められたら嬉しいですが、まだ急いでとめる必要はありません。
指をしゃぶりだしたら、遊びに誘ったり、話しかけてみたりして、気分転換をしてあげてください。
一気に辞められなくても、徐々に頻度は減っていきます。
3歳~5歳
この時期になると、そろそろ止めて、卒業を意識しましょう。
絵本を読んで、指しゃぶりをしていると何がよくないのか本人に理解してもらったり、指をしゃぶる手を握ってあげるのも効果的です。
姿勢が悪いお子さんは、背中が緊張して、指しゃぶりが増えることがありますから、お口の中や背中のマッサージも役立ちます。

6歳以降~
この時期まで続くと、要注意です。
小学校入学(環境の変化)で、指しゃぶりが再発するお子さんもいます。
環境に慣れるまで、静かに見守ってあげてくださいね。
必要なら早めにご相談下さい。
指しゃぶりを家庭でやめるための対策
叱ることは、逆効果です!
3歳以降でしたら、「どうして指を舐めたくなるの?」と、気持ちを聞いてあげましょう。
◇手持無沙汰なら、ガム咬みや風船遊び
◇永久歯が生える前でむずむず奈良、歯科受診を
◇兄弟が出来て寂しいなら、2人の時間を作る
◇寝る前なら、手を握って安心させる
◇なかなかやめられないときは、指に可愛い絆創膏を貼る
指しゃぶりをする理由に寄り添って、アプローチしていきましょうね。
指しゃぶりによっておこるクセに注意
指しゃぶりが長期化すると、舌が前に出るクセ、唇がゆがむ、姿勢が崩れる、上あごの成長が不足するなど、歯並びの問題が大きくなります。
指しゃぶりは、指しゃぶりに関連して他のクセが出てくる前に、対応することもとても大切です。
専門家に相談する時期
一般的には、3歳~5歳が相談時期としては最適です。
永久歯が生えてくる前に、クセを治したいからです。
初めての歯医者さんは1~2歳くらいで来院しておくと、お子さんが怖がらずにできるようになるので、おすすめです。
また、急に指しゃぶりが増えた場合は、2~3週間様子見て、それでも続く時は、早めにいらしてくださいね。
当院で出来るサポート
指しゃぶりの理由や、やめ方は、ひとりひとり違います。
なぜ指しゃぶりをするのか?どのタイミングで出るのか?
お子さんから、親御さんから丁寧にお聞きして、その子のタイプを理解することから始めます。
ご家庭でできる工夫も、その子に合ったものを基本的に1つご提案し、お伝えするようにしています。
お家でたくさんやることが増えると、継続することができないからです。
もし、本人がやめたいと思っている場合は、「今指しゃぶりしているよ。」と、その場、そのタイミングで教えてあげる。
これが一番効果的です。
そのタイミングを見逃さないためにも、いつでもご相談ください。
最後に
あなたのお子さんは、どんなタイプですか?
ご褒美があると頑張れるタイプ、プロセスを話し理解すると出来るタイプ、自分のペースで頑張るタイプ。
タイプによって、アプローチの仕方が変わります。
お子さんのタイプのお子さんでも、どんなタイプの親御さんでも、決して間違いはありません。
我々はいつでも味方ですので、一緒に前を向いて進んでいきましょう。
村上歯科医院 副院長 藤原千尋
