こんにちは。
兵庫県高砂市の歯医者さん、村上歯科医院副院長の藤原千尋です。
私は14年間お子さんの矯正治療に携わっている歯医者さん。
歯並びやそれに付随するお口の発達異常をみてきました。
多くの親御さんは、お子さんのお口の異常に気づいておられません。
そんな中、この記事を読んでくださっている方はきっと、お子さんのお口の異変を何らかの形で気づいておられる方だと思います。
あごがずれている、受け口の気がする、歯並びが悪い気がする、、、
中には、今が育休中で仕事復帰を控えておられるママもいらっしゃるのはないでしょうか。
仕事へ復帰する不安と共に、「我が子に今までのように手をかけてあげられないかもしれない。」「今のうちに何かできることはないのか」
この記事を読んで、そんな不安が少しでも和らぎ、寄り添うことができたら幸せです。
我が子のお口の異変に、早く気付くに越したことはないですので、本当に素晴らしいことです。
そして、矯正治療を将来考えておられる方にも、勉強になる内容になること間違いありません。
今日はまず、乳歯の時にどんな歯並びがいいのか!
そんなお話をしてきます。
乳歯の時期にみておいてほしいポイント
隣にお子さんはいらっしゃいますでしょうか。
まず、お子さんのお口の中を覗いてみて下さい。
まず、みてほしいポイントとが3つあります。
①乳歯の本数と歯の並び
②上あごと下あごの位置関係
③上あごの天井の高さ
それぞれについて、お話ししていきますね。
乳歯の良い歯並び・注意すべき乳歯の歯並び
①‐1 乳歯の本数と歯並び
乳歯の歯並びをみて、一見きれいに並んでいても、実は数が少なくて歯が並んでいるだけで、スペースが少ないことがあります。
乳歯の数が少ない場合は、大人の歯が生えてきたときに、大人の歯が並びきらないことが多いんです。
見た目で判断しないで、まず乳歯の歯を数えましょう。
お子さんが2歳半~5歳頃ですと、一般的に乳歯が全部で20本生えています。
上あごの唇側と舌の裏にはスジ(上唇小帯、舌小帯と言います)があり、そこが上あご・下あごの中心です。左右上下に5本づつ生えています。
もし、歯の数が少ない場合は、2本の歯が1本にくっついていたり(癒合歯・癒着歯と言います)、乳歯の数が元々少ない(先天性欠損)の可能性があります。乳歯が少ないからと言って、永久歯がない訳ではありませんので、レントゲンで確認すれば大丈夫です。
①‐2 乳歯の歯の並び
上あごと下あごを分けて、歯の並びを見ていきましょう。
歯の並びをみると、あごが育っているかを見極めるポイントになります。
あなたのお子さんは、V字型アーチですか、U字型アーチでしょうか。
アーチが半円状でなければ、舌や唇、頬の圧のバランスが不均衡で、変な癖があります。
その結果、あごの成長が少なくなり、将来の歯並びは確実に悪くなります。
あごの上に、乳歯が半円状にアーチを描いて並んでいることが理想です。
①‐3 乳歯のスキマと歯並び
乳歯で歯にスキマがないお子さん
我が子の歯並びがキレイ!スキマもなく美しい!
そう思っている親御さんは、要注意です。
スキマがないと、大人の歯が生えてきた時に、歯並びは悪くなります。
こちらの写真がまさしく、歯の間にスキマがなく、将来歯並びが悪くなる乳歯の歯並びです。
どういうことかと言いますと、乳歯は歯と歯の間にスキマがないとダメなんです。
みるのは、1本1本の歯と歯の間のスキマ(霊長空隙や歯間空隙と言われています)です。
歯と歯の間に、歯ブラシの毛先が入り、歯の横の面を磨けるくらいスキマがあると理想なんです。
しかし、自然にそんなスキマがあるお子さんが、今では稀な事です。
ある統計では、お子さんの約80%に上あごの成長不足が認められると言われています。
乳歯の時期に、スキマがなく、きれい並んでいるお子さん。
フロスを通さないといけないくらい歯と歯の間がつまっている状態は、今は見た目が良くても、あごの成長が少ない可能性を示唆しているのです。
乳歯で歯並びが凸凹している場合は、かなりあごの成長が少ない、言い換えれば、将来の歯並びは今よりも凸凹になると考えてください。
②上あごと下あごの位置関係
次に、かみ合わせを考えていきましょう。
基本的に上あごの中に、下あごが納まっていることが重要です。
上あごの中に下あごが納まりきれないと、下あごが上あごより前に出たり(受け口)やあごが横にズレる(あごの偏位)、噛みこみすぎて下の前歯が前から見えない深い噛み合わせ(過蓋咬合)になるなど、位置関係に問題が起こることが多いのです。
受け口+左にあごがずれている患者さん
受け口は見た目の問題だけでなく、上あごの成長が旺盛な5歳までの大事な時期に、噛むたびに、ご自身の下あごによって、上あごの前への成長が抑え込まれます。
鼻の周り(鼻翼基部)の落ち込みが生じ、顔が平ら、もしくは三日月のようなお顔になります。
あごがズレていると、成長とともに、このズレが酷くなります。
顔が左右に変形してしまうのです。
だからこそ、受け口も、あごのズレも気づいた段階で、早く解消してあげないと、取り返しのつかないことになるのです。
5歳までなら、あごを育てる方法をお伝えすることができます。
6歳以降ですと、上あごの成長を確実に助ける顎顔面矯正で、この顔の問題を解消できます。
ただし、大人になってからだと手術で治す他、顔のズレを方法はありません。
あごが横にずれておらず、咬んだときに前から見て、上の前歯に下の前歯が少しだけ隠れている噛み合わせですと、今は安心してもらっていいですよ。
③上あごの天井の高さと歯並び
最後にみて欲しいのは、上あごの天井(口蓋・こうがい)です。
上あごの天井が高いのは、上あごが順調に成長していない、つまり将来歯並びは悪くなることを教えてくれているサインなのです。
舌は上あごに吸い付くように、ぴたっと天井に引っ付いているものなのですが、鼻で息できないお子さんは上あごに舌が引っ付きません。
舌の動きが悪いからだけでなく、天井が高すぎて(高口蓋と言います)、舌が届かないこともよくあります。
舌を上に上げたくても、天井に届かないのです。
天井が高いのは、上あごの成長不足が原因です。
上あごが順調に育っていたら、天井は低くなるからです。
上あごの成長不足は、鼻の空間がせまいため、呼吸、睡眠の問題がでてきたり、健康な成長を妨げることもあるのです。
赤ちゃんの時からあごは育ちます
上あごの成長不足がおきるとどうなるの?
上あごは、0歳から5歳までが成長が旺盛な時期!
そして、上あごは元々2つの骨から構成されており、真ん中の骨のスキマ(縫合)は10歳頃までつながっておりません。
筋肉の塊である舌が、平常時、飲み込む時、食べる時などの際に上あごを押すことで、上あごが横にも縦にも成長しています。
そのはずなんですが、生活習慣が変わってしまい、自然に生活しているだけでは、上あごが成長しずらくなっているのです。
鼻炎などの鼻の問題があると、口で呼吸するため、舌が下がり、上あごの成長を妨げる原因にもなっております。
その結果、上あごの成長不足が原因で、歯の並びアーチがV字、歯並びが凸凹、受け口、あごの偏位、過蓋咬合などの咬み合わせの異常が、今お子さんに起きていると言っても過言ではありません。
脇をしめて頭を安定させて食べていますか?
5歳までに今日からできるケア
今までお話しした中で、①歯の本数だけは、生まれる前に決まっていることですので、お家でのケア、、何とかすることはできません。
それに対して、歯の並びやあごの位置関係など他の項目は、上あごの成長不足が原因ですので、ケアすることができるんですよ。
まず、舌は上あごにつけることができるようになりましょう。
舌を鳴らすことで、舌を上にあげる練習が出来ます。
ガムを噛んで柔らかくしたのち、ガムを舌でボール状に丸めます。
そのボール状のガムを舌にのせ、ぐーっと上あごの天井に押し付けることも、舌を正しい位置につけ、舌の力で上あごを押し広げる助けになります。
舌が常に上あごにピッタリ引っ付いている状態が継続できれば、上あごは自ずと成長して、大人の歯が生えた時に歯並びが良くなるでしょう。
そして、何より鼻呼吸できる環境がないといけません。
鼻で呼吸できていないお子さんに、「舌を上げなさい!」と指導するのは、息をしないで!と言っているようなものです。
鼻うがいをしたり、サイナスミストで鼻水を和らげてってあげるのもの、いいでしょう。
鼻づまりがないように、してきたいですね。
但し、これをやっておけば、すべてよし!そんな夢のようなことはないのですが、特に大事にしてほしいのは、外でいっぱい遊んでください。
坂道を駆け上がったり、散歩をしたり、虫を捕ったり、、、
素朴な遊びの中に、体を育て、あごのを育てることができるのです。
腕を使い、足を使い、たくさんの体の使い方を経験してください。
寒い季節ですが、動きやすい服装で外遊びを楽しみましょうね。
生活習慣や遊びの中で上あごの成長が促され、正常な大きさまで自力で改善できるのは、5歳までが限界だと思っています。
ハイハイできるようになったら、外遊び!日光浴も骨作りに大切!
一度、専門家にご相談を
お子さんを連れて歯医者さんに行くというのは、とても大変ですよね。
私も子どもを連れて病院へ行くのは大変なのを、いつも実感していますから、行くタイミングを躊躇するのは無理ありません。
しかし、歯並びに関しては、我が子、なんだか変だな?
そんなママの勘が働いた時に、なるべく早い受診をおすすめしております。
それは、お子さんのお口の成長は、5歳までに大人と同じ機能を獲得するような仕組みになっています。
特に、あごのずれや受け口は、日に日に顔のゆがみを引きおこします。
悪くなることはあっても、自然には治りませんので、ご注意を。
異変に気付くのが早いほど、歯科でお口育てのプロに、サポートをしてもらえるメリットは大きいのです。
当院のように、お口を育てる歯医者さんにご相談くださいね。
何処の歯医者さんでも、サポートしてもらえる訳ではありません。
食べさせ方、食べる環境、椅子の選択、使う道具、普段の過ごし方、たくさんの子育てのヒントを、我々は持ち合わせております。
せっかく育児をするなら、正しい知識をもって、少しでも自信をもって子育てしてほしいです。
親御さんの笑顔は、お子さんの笑顔につながります。
とは言え、親御さんも寝不足でいっぱいいっぱいですよね。
赤ちゃんが生まれて、親御さんの心の余裕が少しできた時にお待ちしております。

当院で出来るサポート
上あごの成長に14年携わってきた私だからこそ、上あごの成長が順調なのか、成長が不足している場合はどうすればいいのか、保険診療の範囲でサポートすることができます。
生後4ヶ月の赤ちゃんから診察をしております。
具体的には、生育歴や生活習慣をお聞きしたり、時には食事を見せて頂いたり、歯科診療の中でお口の機能の発達を確認し、あごを育てる具体的な方法をお伝えしております。
上あごを成長させるためには、舌の位置や鼻呼吸できる環境を獲得してほしいのですが、舌の訓練だけでは限界があります。
姿勢や睡眠、遊び方など、その子その子で発達が違いますので、個別にご相談くださいね。
今のお子さんに必要な遊びや生活習慣を説明させてもらいます。
また、育児をしながら歯並びを良くしたいという方のために、0歳から5歳の方を対象に村上歯科医院でお口育て教室を始めます。
2026年3月12日木曜日が初回です。
instagramでご案内予定ですので、フォローしてお待ちください。

また、診察時間が合わない、診察に行ける距離ではないお家族のために、オンラインサポートも開始する予定です。
仕事復帰して、時間の確保が心配な方にもおすすめです。
準備が整い次第、こちらもinstagramでお知らせいたします。
そして、5歳を過ぎても、歯並びの問題が解決しない場合は、上あごの成長を正常が大きさに戻す顎顔面矯正をお薦めします。
ただ単に歯並びをよくする矯正ではなく、鼻呼吸できて、お口を閉じて、歯並びが安定しやすい骨格を作る矯正治療です。
お子さんの体の土台を作ることができます。
最後に、受診中、診療室を走り回ったり、声を出したり、泣いても大丈夫です。
笑顔で診察!そこを目指していますが、信頼関係が出来るまでは、そんなこともありますので、後ろめたく感じる必要はありませんよ。
いつも子育て、お疲れ様です。
いつかどこかでお会いできるのを、楽しみにしております。
では、さようなら。
村上歯科医院副院長 藤原千尋
