おはようございます!兵庫県高砂市の歯医者、村上歯科医院です。
昨日は家の近くの田んぼで、カブトエビを発見しました!
神秘的できれいですね。皆さんも、自然に触れ合う時間を大切にしてくださいね。
今日は、ワイヤー矯正をし、上の前歯が変色した時にどう対応するのか?どう考えればいいのかをお話しします。
ワイヤー矯正をすることによって歯が変色するケースは、悲しいですが、稀にあります。
歯の変色は、神経が弱った、死んでしまった可能性を考え、治療としては神経を取ることが一般的です。
本当にそれでいいのでしょうか。歯の神経を取ると戻ることはありません。
まず、ワイヤー矯正をして歯の色が変色するケースは③つ考えられます。
➀矯正により歯に与える力が強すぎた(矯正力が強い)
②歯が強く当たっている(咬合干渉)
③虫歯によって神経が死んだ
③の場合は神経を取る必要があります。ただ、矯正治療中に、いきなりむし歯が出来ることは少ないと思います。
それは、矯正治療をしている際は、月1回の通院をするため、むし歯を見逃すことは少ないからです。
ですので、まず歯の色の変色がある場合は、咬合干渉を取り除き、強制力が強い場合は、すぐにワイヤーを取り除くようにしています。
私も1症例、矯正による歯の変色を経験しました。
上の前歯にワイヤーを通して1ヶ月後に、歯の色が変色しました。
変色に気づき、矯正力をかけずに3ヶ月~6ヶ月経過を見ていると、歯の変色は改善し、白く戻ったのです。
上の前歯の場合、歯の色が変色した原因がもう一つ考えられ、それを考慮したことが良かったと考えています。
④切歯管という骨の管に、歯の根が当たった
上の前にの裏に切歯管があり、矯正によって歯を動かしているときに、歯の根が切歯管に触れると、歯が変色するのです。
これをご存じの先生は意外と少ないかもしれません。
もし、ワイヤー矯正治療中に、歯の変色が起きた場合は、すぐに神経を取るのではなく、切歯管に触れてないか、矯正力が強くないかを考え、ワイヤーを取り、一時期経過を見ると、歯の変色が改善する可能性があることを、皆さまに知って頂きたいです。
神経を取ると元には戻れません。
必要な場合は、神経を取ることもあるでしょう。
ただ、歯の変色の原因がはっきりするまでは、神経を取ることは避けてほしいと思います。
当院で行っている顎顔面矯正を併用したワイヤー矯正は、骨のスペースを十分作った上で、歯を並べるため、歯に無理な力を加えません。
ですから、歯の変色するケースは非常に少ないです。
ただ、歯と切歯管の位置によっては変色する可能性は0ではありません。
慎重に、かつ丁寧に、治療を進めていきます。
そして、神経が死んだかなと思う時には、痛みがなければ安直に神経を取る治療をせず、原因がはっきりしてから対応します。
矯正治療によって、すてきな笑顔、良く噛めるかみ合わせを一緒に作っていきましょう!
副院長 藤原千尋