おはようございます!兵庫県高砂市の歯医者、村上歯科医院です。
上唇小帯というスジをご存じですか。上の前歯の間にあるスジのことです。
今日は、このスジについて説明していこうと思います。
このスジは、生まれた時から存在するため、時にスジが太くて短い場合には、哺乳する際に障壁になることがございます。
おっぱいに吸着しにくい、スジがあることで陰圧にならず空気を一緒に飲み込んでしまうなど、赤ちゃんにとっては致命的です。
ですが、赤ちゃんは生まれ持って母乳を飲む機能を持ち合わせているかというと、そうではありません。
飲む練習や学習によって、哺乳はできるようになるものです。
ですから、助産師さんや産婦人科、小児科の先生に哺乳をサポートしてもらい、それでもスジが原因で哺乳しにくい場合は、歯科医師の出番で、スジを伸ばす処置をすることもあります。
生まれた赤ちゃんのスジが太いからと言って、慌てる必要はありません。ご心配であれば、いつでもご相談承りますね。
次にスジが障壁になる可能性がある時期は、上の前歯の乳歯が生え始める頃です。大体、生後6ヶ月~8ヶ月頃。
このスジに、母乳やミルクが溜まりやすく、歯磨きするとスジにブラシがあたり痛いと、歯磨きを嫌がる原因になることがあります。
それによって、上の前歯の真ん中にむし歯が出来やすい時期です。
この時期に、歯磨きを嫌がるからと言ってスジを伸ばす処置をすることはありません。
スジを指の腹で抑えて、歯を歯ブラシで磨くと、痛がることはありませんし、母乳やミルクがスジの横にたまるので、そこをガーゼで拭うだけで、むし歯のリスクを下げることが出来ます。哺乳に問題がなければ、対症療法で対応すれば大丈夫です。
次に小学1年生になるころ、上の前歯が乳歯から永久歯に生え変わるのですが、スキッ歯になることがあります。この頃のスキッ歯は、いろんな原因があるのですが、その一つが上唇小帯です。見栄えの問題で気にある方が増える時期です。
上唇小帯は、上あごの歯槽突起の成長と、唇をしっかる使うことで、自然と伸びたり、切れて伸びるので、良く噛んで食べたり、口唇を良く動かし、よく笑って過ごすことを、まず大切にしてくださいね。
ガムを噛んだり、吹きゴマを吹いたり、体幹を整えたり、いろんなアプローチの仕方がありますよ。
具体的にどんなことをすればいいのか知りたい方は、是非当院にお越しください。
小学校高学年になっても、スジが太く短い場合は、そろそろスジを切除する方が良いかと思います。
できれば、前から3番目の永久歯は生える前に、スジをとると、前歯の歯並びに悪影響が少ないため、おすすめです。
時期が悪いと、矯正治療の併用が必要になってきますので、ご注意を!
どのくらいスジが太く入り込んでいるのか、また、年齢(歯の生え変わり時期)によっても、上唇小帯の対応法が違うことをご理解いただけましたでしょうか。
一人で悩まず、ご相談下されば、状況に合わせてサポートできます。
歯科医師や歯科衛生士もあなたのサポーターです。
では、今回のお話はここまで~さようなら~
副院長 藤原千尋